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2007年10月28日
冷蔵庫を買い換えようと考えたのは今年の夏のことだった。
上に電子レンジを置いているために目立つことはないが、電子レンジをどかしてみると、常時1mmくらいの厚さの水の層ができている。結露しているのだ。常時冷えている冷蔵庫に水滴が見られるとなると、これはやばいかもしれない。部屋の模様替えで冷蔵庫の横を居住空間にしたところ、冷蔵庫の音や振動が気になるようになってきたし、そろそろ買い換え時かもしれないと思ったのだった。
思い出してみると、この冷蔵庫との付き合いは古い。
1988年。バブルのまっただ中でまさに昭和が終わろうとしていた、そして共通一次もセンター試験に衣替えしようとしていた年に大学に入学し、生まれてはじめての一人暮らしをはじめた。そのときに小さな冷蔵庫を買ったのだが、その後の2回の引っ越しを経て、5年も経たないうちに使い物にならなくなってしまった。引っ越しを友人に頼んで行ったために、冷蔵庫の取り扱いに失敗し、フロンガスが抜けてしまったのかもしれない。仕方がないので、大阪の阪急池田駅前にあるダイエー(今は存在しているかどうか分からないが)に行き、買い求めたのがいま自宅のキッチン横に鎮座している、小さな白い冷蔵庫だ。メーカーはColtina。聞いたことのないメーカーだ。学生生活の間だけもてばいいくらいの気持ちで、お金もなかったし一番安いものを買い求めたのだが、これがことのほか丈夫で15年たった今でも元気に動いている。
さて、買い換えるとなると、値段が気になる。夏以降、液晶テレビ、デスクトップの自作パソコン、エアコン、掃除機、ソファと、立て続けに出費をし続けたので、大きな出費は控えたい。そこでまずアキバのヨドバシに行って調べたみたのだが、思ったよりも高い。冷凍庫と冷蔵庫が2つに分かれた120リットルくらいの小型冷蔵庫で配送料込みで4万近くする。現在使用中の冷蔵庫を廃家電として引き取ってもらうとなると、それにプラス5000円だ。冷蔵庫に5万弱。3万くらいをメドに考えていたため、ちょっと予算オーバーだ。
そんな中、救世主が現れた。今月26日からはじまったアキバの石丸電気のリニューアルセールだ。11月頭までオープン記念セールとして、シャープ製の小型冷蔵庫が2万6千円くらいで売り出されている。家電小売店の競争はおもしろいもので、石丸がセールを始めるのと同じタイミングで各量販店がこぞって値下げをはじめた。アキバのソフマップ(新しくできた店は家電店になってしまった……)でも同じ型の冷蔵庫が2万6千円。近所のコジマでも2万6千円だ。試しに、近所のケーズデンキに行ってみたところ、同じ型の冷蔵庫が配送料込みの2万5千円で売っているのではないか! リサイクル料金が5380円なので、試しにリサイクル料金込みでジャスト3万円にならないか交渉してみたところ、すんなり通った。というわけで、近所のケーズデンキで冷蔵庫を買うことにした。
ここで小さな問題が発生する。
家電リサイクル料金の5380円というのは、日本メーカー製の冷蔵庫を引き取る場合にのみ適用される料金らしいのだ。ダイエーのプライベートブランドのColtinaとなると、どこのメーカー製かも分からない。だから、この料金よりもリサイクル料金がかかるというのだ。それも、料金がいくらかかるかというのは回収業者による徴収になるので、回収の日にならないと分からないという。そんな馬鹿なことはない。リサイクル料金で5380円かかるというのは冷蔵庫売り場に大きく表示されているが、日本メーカーに限るなどということはどこにも記されていない。家電リサイクル法が施行されたときも、そんな話、聞いたこともない。そして、購入時点でリサイクル料金がいくらかかるか分からないなんて、そんなふざけた話はない。店頭でごねたところ、担当者が問合わせてくれたらしく、リサイクル料金は6100円だということが分かり、その場でプラス分を支払い、話はどうにか収まった。しかし、日本メーカーに限るリサイクル料金というのは腑に落ちない。中国のハイアールやアメリカのGE製の家電を最近では量販店で見かけるが、それらを買うときにはきちんと注意事項として語られるのあろうか?
腑に落ちないながらも、安く冷蔵庫を買えたことに満足し、ケーズデンキから自宅に自転車で帰路につく。途中にある首都大学東京荒川キャンパスの前を通ると、中からやかましいバンドのがなりたてる音楽が聞こえてきた。校門が開け放たれ、活気づいているこの雰囲気。何か懐かしい。学園祭をやっているようだ。校門横に自転車をとめ、ふらりと寄ってみることにする。
手作りの看板。手作りのパンフレット。焼きそばやら焼き鳥やら、安っぽいものばかりが売られており、100円・200円の商売をしているのだが、やっている側はむちゃくちゃ楽しそう。自分のいまの仕事や生活をみてみると、クオリティを求められる印刷やデザインなどは金を出して外注するし、お金を出して食べられるおいしいものはたくさん知っている。これはこれですばらしいことなのだが、こういう小さな手作り感覚の楽しみというのもいいよなーなどと、学祭の盛り上がりを見ていると感じ入ってしまう。ノスタルジーにひたるなんて、感性がおじさんになってきたのかもしれない。
学生時代から使い続けてきた冷蔵庫は火曜日にうちを去ってゆく。
ただ単に冷蔵庫を買い換えたかっただけなのだが、大学祭に立ち寄ったことで、変に感傷にひたってしまった。たかが古い冷蔵庫から、学生時代のバカで世間知らずだった頃の、ひとにたくさん迷惑をかけた頃のことを思い出してしまった。
家に帰り、サークルボックスのあった明道館がどうなっているのか気になって、ふと検索してみた。ぼくらが在籍した当時、ぼろぼろでどうしようもなかった建物。立て替えの話が出てきては消えているが、いい加減もう存在しないだろうと思っていたのだが、見事にまだ現役で存在しているようだ。変わらないものは変わらないのだと、感心してしまった。
時は流れる。
自分は老いる。
自分の歩んできた道は
あとから歩む者のためのけものみちとなる。
時代は変わる。
それでも
変わらず姿をとどめるものはある。
それを残すために
それを伝えるために
何をするかが
いま歩んでいるぼくらの使命なのかもしれない。
変わらないものを変わらないものとして残すために
ぼくらは変わらなければならないのかもしれない。
投稿者 watata : 2007年10月28日 14:45
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